伊根町の歴史と自然が育む「伊根まぐろ」ブランド

丹後半島の北東部、歴史的な舟屋群が美しい伊根町は、天然の黒まぐろが育つ理想的な環境を持つ日本海の静かな入り江に位置します。ここにある「伊根まぐろ」の養殖場は2006年のスタート以来、天然に近い風味と高品質を誇るブランドとして名を馳せています。冬に脂がのるのが特長で、寒暖差が大きい伊根湾の水温環境が、まぐろの身に旨みと脂質のバランスを絶妙に引き出す要因です。伊根まぐろは通常の養殖まぐろとは異なり、自然界で約9割の時間を過ごし、適度に引き締まった赤身の味わいが楽しめるのが魅力です。


漁師の技術が高鮮度・高品質を支える

伊根まぐろは、6~7月に日本海でまき網漁により丁寧に漁獲された天然黒まぐろを、生きたまま曳航生簀でゆっくり時間をかけて伊根湾へ運び込みます。生簀に分けられたまぐろは、約3~4ヶ月間、いわしやさばを中心とした高品質なエサで育てられます。こうした徹底した環境管理と自然に近い育て方によって脂がのり、身質の良い本まぐろへと仕上がっていきます。さらに、伊根まぐろの漁獲は丁寧で繊細な方法で行われます。潜水士が海中に入り、一尾ずつ慎重に電気モリでショックを与えて気絶させ、続けて船上で血抜きと神経締めを行います。この素早い活〆処理により、体温の上昇やたんぱく質の変性が防がれ、鮮度が長く保たれます。酸味や変色を抑える効果も高く、まぐろ本来の美しさと旨みがしっかりと守られます。潜水士の高度な技術と、スピーディーな作業。その積み重ねこそが、伊根まぐろの品質を支える大きな理由となっています。

この時期だけの味わいを、刺身で堪能

最もおすすめの食べ方は、伊根まぐろの鮮度と脂のりをそのまま味わえる刺身です。天然に近い赤身の力強い旨みと、ほどよく絡む脂の甘みが口いっぱいに広がり、素材本来のおいしさを存分に堪能できます。漁師たちも、まずは刺身で味わうことを一番に勧めています。このように伊根まぐろは、伊根湾の豊かな自然環境と短期養殖の特長を生かし、鮮度管理と育成技術にこだわり抜くことで、「伊根の恵み」をその身に宿した極上のまぐろへと育てられています。伊根町の歴史ある町並みや美しい景観とともに、この時期しか味わえない特別なまぐろをぜひ体験してみてください。

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